EUの輸入管理システム2(ICS2)リリース3の要件
2025年9月29日 – EUのImport Control System 2 (ICS2) のリリース3に関する最新情報をご覧ください。
ICS2、リリース3とは?
Import Control System 2 (ICS2) は、EUの新しい事前貨物情報システムで、航空、海上、道路、鉄道の輸送手段を用いてEU、ノルウェー、スイス、北アイルランドに到着または通過する物品の安全およびセキュリティデータを到着前に収集するものです。ICS2の目的は、税関の安全性とセキュリティを確保するための新たな対策に従い、ひとつの欧州市場とその市民の保護を強化し、グローバルなビジネスモデルに適応したデータ主導型の税関セキュリティプロセスの改善を通じて、自由な交易フローを促進することにあります。最終仕向地がEU域外でも、EU域内を経由するすべての貨物にはICS2が必要です(たとえば、EU域内を経由するアジアから英国への貨物など)。
Import Control System 2 (ICS2) は、3回のリリースで運用が進められています。各リリースは、異なる事業者 (EO) および輸送手段に影響します。リリース1 (2021年3月15日) では、郵便事業者および速達業者向けにICS2が導入され、航空貨物について事前貨物情報の事前登録が義務付けられました。リリース2 (2023年3月1日) では、一般航空貨物および郵便貨物の輸送に関するICS2要件が、航空会社、フレートフォワーダー、混載業者に対し適用拡大されました。最新かつ最終フェーズであるリリース3では、ICS2は海上、道路、鉄道輸送業者に拡大され、移行が完了します。これにより、2025年9月1日をもって、ICS2がすべての輸送手段における唯一のシステムとなります。
EUのICS2リリース3に含まれるもの
ICS2リリース3は2024年6月3日に発効し、輸入概要申告書 (ENS) に対する新たな要件が導入されました。これにより、正確かつタイムリーで完全なデータ提出の必要性が高まっています。航空、海上、内陸水路、道路、鉄道による輸送手段を用いてEU、ノルウェー、スイス、北アイルランドに到着または通過する物品について、コマーシャルインボイスに記載されている商品行ごとに6桁の統一システム (HS) コードを提供するか、貨物の到着前に詳細な商品説明を提供することが義務付けられました。
HSコードが複数存在する場合は、それぞれの品目の正味重量も必要です。貨物の受取人/荷受人のEORI(事業者登録識別番号)も必要です。
貿易業者は、遅延や法令不遵守のリスクが生じないよう、リリース3に対する準備を事前に行うことが強く推奨されます。
来るUCS2リリース3にどのように備えるか
EU向け貨物またはEU経由の貨物をUPS Supply Chain Solutionsに委託される場合、UPS® Forwarding HubをはじめとするUPSの貨物輸送システムを輸送手段として利用するかにどうかにわらず、以下の情報をご用意いただく必要があります。
- 荷送人の氏名
- 荷送人の住所
- 荷受人の氏名
- 荷受人の住所
- パッケージの個数
- 総重量
- 許容される品目の説明(EUのガイドライン全文を参照)
- 6桁のHS(統一システム)コード。貨物に複数のHSコードが関係する場合は、それぞれの正味重量も含める*。
- EU27か国の場合、荷受人のEORI番号(EUのガイドラインを参照)
UPS Supply Chain Solutions以外の配送システムをご利用の場合は、最寄りの税関に必要な情報を直接提供する方法を選択することも可能です。
ICS2のデータ報告要件を満たす十分なデータをご提供いただけない場合、UPS SCSは商業的に合理的な範囲でお客様に連絡する努力をいたします。荷送人から回答が得られなければ、すべての要件が満たされるまで貨物は発送元で保留されます。
商業的価値のない書簡、通信文書、その他の文書の発送は、この要件から除外されます。HSコードの詳細は、UPSの「輸入者向けHTSコードガイド」をご覧ください。
EUのICS2リリース1および2に含まれていたもの
ICS2リリース1は2021年3月15日に発効しました。このリリースでは、空路でEUに到着する、またはEUを通過する郵便および速達混載貨物で、EU行きの航空機への積み込みの前に、簡易通関(積み込み前事前貨物情報(PLACI)とも呼ばれます)の記入が必要でした。
2023年3月1日に発効したICS2リリース2では、航空貨物一般混載で、EU27か国ならびにノルウェー、スイス、北アイルランドに到着する前に(発地にかかわらず)PLACIフォームおよび略式申告(ENS)の完全なデータセットを記入する必要がありました。
ICS2リリース3に関する最新ニュース
EUのImport Control System 2 (ICS2) は、2025年4月1日に次フェーズに移行し、EU、北アイルランド、ノルウェー、スイスに到着または通過する物品を輸送するすべての鉄道および道路運送業者に対し、輸入概要申告書 (ENS) の提出を義務付けました。ENSには、UCC DA/IAの附属書Bで定義されているデータ要素を含める必要があります。道路および鉄道輸送に関するこれらの要件は、UCC作業プログラムを定める実施決定 (EU) 2023/2879に基づき、2025年4月1日に発効しました。運送業者は、フレートフォワーダーおよびその他の申告業者が提供する、基本となるすべてのハウス輸送書類または貨物運送状から必要なデータを収集する必要があります。
EUの以前の輸入管理システムであるICS1は、2025年9月1日をもって完全に廃止されました。その日付以降、ICS2は航空、海上、道路、鉄道輸送によって到着するすべての物品に関する、安全およびセキュリティデータを管理するための唯一のシステムとなりました。この移行により、EU関税法典の要件が完全に実施され、EU関税地域への物品の移動に関わるすべての運送業者およびサプライチェーン関係者は、正確かつタイムリーなENS申告を法的義務として履行しなければならなくなりました。
ICS2リリース3の導入期間は、2025年4月1日に始まり、2025年9月1日に終了します。すべての国家管理機関 (NA) は2025年4月1日までに準備が完了している必要があり、すべての事業者 (EO) は、ICS2への道路および鉄道輸送向けのENSの提出を開始していなければなりません。
EOは、ICS2に接続することが強く推奨されています。EOは以下のいずれかを選択できます。
- システムをICS2に接続
- (第三者)ITサービスプロバイダーの利用、または
- EUのウェブインターフェース経由で利用できるAccessICS2
いずれの場合も、これらの接続を開始するには、EORI番号が直ちに必要です。
2026年末までに、ICS2は複数のENS申請もサポートするようになり、サプライチェーン内の異なる関係者が部分的な申請を提出できるようになります。引き続き、正確で高品質なデータが不可欠です。EOは、ICS2のエラーメッセージを注意深く監視し、必要に応じて修正した申告書を再提出する必要があります。追加のガイダンスおよび制限対象の「ストップワード」リストは、EUのCIRCABCプラットフォームから入手できます。
ICS2に関するリソース
ICS2およびリリース3の詳細は、欧州委員会のウェブページに掲載されています。また、ICS2リリース3に関するこちらのビデオもご覧いただけます。貿易業者のITシステムのアップデートを含む技術的な準備の詳細については、こちらの概要をご覧ください。概要は、ICS2に対応するステップについて情報を求められている海上輸送および内陸水路輸送業者向けにご利用いただけます。すべての必要な技術文書は、CIRCABCにあります。ご質問がある場合は、当社の通関業務専任スタッフまでお問い合わせください。