フル回転する検査機関

早朝便で到着した新型コロナウイルスの重要な検査キット小包をスキャンするUPS職員。

グラヴィティ・ダイアグノスティックスとUPSヘルスケアがパンデミック対応で提携

ヘルスケア営業の経験があり、起業家の構想を胸に秘めたトニー・レミントンは、2016年にボストン大学でMBAを取得しました。投資家数人の支援を得た彼は、介護経験の豊富なパートナーのジュリー・ブラジルとともに、ケンタッキー州ルイビルから90マイルほど離れたコビントンにある小さな臨床検査施設を購入しました。

ケンタッキー州、オハイオ州、インディアナ州で毒性学、ゲノム、感染疾患の検査に取り組んだグラヴィティ・ダイアグノスティックスは、最初の4年間で穏やかな成長を遂げました。

これが全米に対し、重要な役割を果たすための準備運動になりました。そして2020年3月に新型コロナウイルスが発生します。

資金が数十億ドル規模と潤沢でありながら未処理の仕事を山のように抱えた検査機関が、検査に数日から数週間かかるのに対し、レミントンのスタートアップ企業はわずか数時間で結果を提供できる点で一線を画していました。そしてレミントンの会社の検査件数は1日あたり20件から、6か月後には19,000件に跳ね上がりました。35人の従業員が200人になりました。4,000平方フィートの職場が5万平方フィートになり、100万点以上の検体が出入りするようになりました。仕事は夜半まで続き、週に7日の稼働でした。

「これは素晴らしいことでした。弊社の成功は、スタッフの努力の成果です。」とレミントンは言います。「スタッフは情熱を持って、出勤してきます。自分たちがしていることが、意義のある正しいことであると理解しています。受け取った検体は検査し、明日ではなく今日中に結果を送信することで、文字通り人の命を救っていることを理解しているのです。」

スピードが致死のウイルスを滅ぼす

当初、パンデミックは、グラヴィティ・ダイアグノスティックスを危機に陥れました。

「コアビジネスが50割落ち込みました」とレミントンは言います。「破産するかもしれないと思いました。」

3月のロックダウンの時には、レミントンは自宅のあるフロリダ州を離れ、スーツケースを手にケンタッキー州コビントンにいました。ケンタッキー州に12週間留まり、新型コロナウイルスと闘う意思を固めました。

検査スピードが会社を差別化することに気づき、レミントンたちは、長期療養施設・病院・介護ホームその他の救護組織に、迅速に検査結果を出すことを請け合いました。鼻咽頭スワブによるラピッド抗原テストの検体が次々と到着するようになりましたが、レミントンは、もっと大きなニーズがあると気付きました。

そこでレミントンはUPSヘルスケアを訪ねました。そしてUPSには、すぐに使えるリソースと地の利があることを確認しました。グラヴィティ・ダイアグノスティックスは、これらの助けで大躍進を遂げたのです。パンデミックの当初から、UPSは大統領のコロナウイルスタスクフォース、連邦政府、州の衛生当局と連携を取りました。協力関係が強化され、全国の医療従事者向けに個人用保護具(PPE)、人工呼吸器、N95マスク、手袋の配送を行いました。

インフラは既に整っていました。

これはUPS Worldportも同じことでした。

地方の企業が全国の顔へ

ルイビルのUPS Worldportは、コビントンの検査施設から南西に90分の距離の所にあります。世界最大の自動梱包処理施設で、UPS国際空輸網の中心地でもあります。そのハブ空港には毎日300便以上の離発着があり、UPSの取扱い貨物は、24時間に約500万個です。

「ルイビルの近さと能力がグラヴィティ・ダイアグノスティックスを全国に知らしめました」と、UPSヘルスケアロジスティクス部長のビル・バーマイスターは言います。「レミントンは、UPSのネットワークソリューションを利用して検体の配達時間を短縮しました。これにより顧客の所在地がどこであれ、検査結果通知の到着が早まり、命を救うことになります。」

UPSチームは、全国どこからでも翌朝午前 6:30に毎日検体を届けることを請け合いました。(それまでは別の業者が検体を午前9時に届けていました。)

これは「朝飯前」のことでした、とレミントンは言います。それによって、カリフォルニアや北東部の州にある介護施設や集中治療室からの鼻咽頭スワブの出荷・受領・処理・報告が、48時間以内に完了することになりました。数十億規模の検査機関では、場合によっては2週間かかっていました。

そしてレミントンが驚いたことには、「UPSは、求められたわけではないのに、週に6日の配達を申し出ました。UPSヘルスケアには、真の意味で新興企業の精神があります。」

重要なケアのための重要な考え方

UPSヘルスケアの処理は、世界で最も進んだ配送技術に依存しています。スマートラベルやその他の電子手段で、航空便での貨物の特別な配置や早期取り出しを指定し、施設の特別な場所や分類エリアの経路を指定して、処理と集荷を速めています。Worldportに到着すると、貨物をコビントンに迅速に配達し、レミントンの熱意に溢れたチームが、夜明け前に分析を開始します。

「我々は、グラヴィティ・ダイアグノスティックスのような顧客やレミントンのようなリーダーのために、壁を打破したいのです。」と、早朝配達を実現したUPSエクスプレス・クリティカルのエリアマネージャー、ブライアン・ビームは言います。「グラヴィティ・ダイアグノスティックスの使命、リーダーシップ、ロジスティクスに対する理解が、UPSとの提携、価値ある提案、激務を評価してくださるお客様を生みます。」

「命を救う超高速のサービスが、仕事のやり甲斐になっています。UPSで20年勤務をしていますが、医療関係のお客様を支援することよりもエキサイティングな仕事は、ほかに考えられません。」とビームは言っています。

グラヴィティ・ダイアグノスティックスの卓越性とスピードは、全米の注目を浴びました。天性の営業マンであるレミントンは、スポーツチームや薬局チェーン対象に検査を拡大し、新たな展望を開いています。ケンタッキー州の上院議員、ミッチ・マッコネルはワシントンD.C.で上院多数党院内総務を務めていますが、7月の記者会見で、レミントンの検査機関について言及しました。レミントンは社員に功績を帰しています。

レミントンは、このように語っています。「チームは早朝4:30に出勤し、その内の何人かは夜の11時までいます。週に7日間です。命を救うことと、新型コロナウイルス対応に役立つことであれば、なんでもする意欲があります。」レミントンは、信じられないような成長を後押しした、UPSとの提携にも感謝を述べています。

「UPSは救急医療の役割をしっかり理解しており、我々が命を救うための必要なサービスを受けられるよう、要請した以上のことをしてくれています。」と、彼は言います。

「UPSとの提携は、決して評価を得ることや、収益を増やすことが目的ではありませんでした。UPSの皆さんは、UPSとその存在意義を心から誇りにできると思います。」

グラヴィティ・ダイアグノスティックスの事例は、こちらからご覧ください。

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