コールドチェーンワクチンの海外配送

非従来型ワクチンの配送が、大事なギャップを埋めています。

大洋の上を飛ぶ飛行機

先月実施されたファイザー・ビオンテック製ワクチンの歴史的な初配送では、初日の配送先の医療施設の1つとしてワープ・スピード作戦でミシガン大学病院が選ばれました。この大学病院はファイザーの流通施設から、99マイル(約160Km)しか離れていませんでした。最初の出荷では全国で短距離と長距離の輸送が行われました。あまり報道されませんでしたが、とても複雑な旅をした荷物もほかにありました。一部はミシガン州とウィスコンシン州にある冬期のファイザー流通センターから米領サモアやグアム、マリアナ諸島のような米国領に太平洋をわたって出荷されました。

そよぐ椰子の木や青い海の環礁、南太平洋のそよ風で有名な地域です。ワクチンは、接種までの間、常時‐80℃に保つ必要があるため、UPSの創意とノウハウが試されました。

長い異例ずくめの旅

UPSは定期的に島嶼地域に配送を行っていますが、このルートは通常とは全く異なるものです。UPS Freight ForwardingUPS Express Criticalと協力して、入り組んだ接続便を確保しました。

「米領サモアには週に1便しか飛びません」と、UPSのグローバル・フレート・フォワーディングセグメントのリソースグループマネージャーであるJoey Hansonは言います。そのためワクチンと予備のドライアイスを入れた3つの貨物をその1便で同時出荷しなければなりませんでした。」

海外配送にUPSの航空便を利用する多くの目的地とは異なり、ワクチンやその他の重要緊急貨物などの積荷や特別配送品では、小規模な場所やあまり配達をしたことがない場所への配達を完了するために、民間航空会社便を利用します。

テクノロジーと古き良き関係が、信頼性の高いワクチン配送を実現

輸送中に出荷を取りまとめ、別々の発送地から複数の航空会社で移送し、まとめて配送を手配するにはスキルが必要です。

「こうした通常と異なる場所では、積送品を扱う広胴型輸送機をあまり利用できません。航空会社と協力して、築いてきた関係を活用します」と、ハドソンは述べています。例えば、航空会社はUPSと連絡を密に保ち、電話でワクチンの配送コンテナを確認し、細かい点にまで目を配ります。

こうした関係は、急に生まれるものではありません。時間をかけて築かれるものであり、Express Criticalグループの業務の意義を示すものです。

「当社側からすれば、航空会社からのリアルタイムのアップデートとともに、航空会社との関係とリアルタイムの追跡、ジオフェンシング、逸脱の監視が不可欠です」とハドソンは言います。UPSシステムでは積荷のスキャンをすることでトラッキングなどができますが、この場合は不可能です。」

専有技術も欠かせません。UPS/MarkenのソリューションであるSENTRYは、ワクチンの配送の重要な要素である出荷の位置と温度を監視、報告するカスタム設計のソフトウェアを通じて、リアルタイムの追跡機能を備えています。この最初の複雑な移行からUPSが体験し学習したことは、近い将来に必要となる、さらに困難で高度な協力において重要な役割を果たします。

支援が行き届かない人々にワクチンを配送

ワクチンの人道的配給が現実化している中、UPSは遠隔地での経験を大幅に活用していくことになります。途上国や支援が行き届かない人々への対応では、関係を活用し、UPSの公共部門担当グループの支援により税関と協力し、UPS社員の専門知識に依存するためのさらに創造的なアプローチが必要になります。

「生涯で最大の医療危機に際して、我々は全世界のすべての地域に大事なものを届けています」と、UPS Healthcare社長のWes Wheelerは述べています。

UPS Healthcare社長、Wes Wheeler

UPS Healthcareの新型コロナウイルスへの取り組みの詳細をご覧ください。

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