暑い地域におけるコールドチェーン

UPSヘルスケアのマラウイへ向けた人道的援助は、技能、意思、そしてすべての根底にある善意を示しています。

マラウイで新型コロナウイルスのワクチン接種を行う看護師

地図上でマラウイの位置を指し示すことができない人もいます。

しかし新型コロナウイルスはこの東アフリカの国にも侵入しました。

パンデミックが始まり、人口1800万人のこの発展途上国の僻村にまで広がりました。指導層は、マラウイ国民に対するワクチン支給支援を国際社会に求めました。

マラウイは国土が起伏に富み、たどり着くのが困難な地域もあります。安定した電気・水道供給といった公共サービスがない村落が多く、もちろん冷蔵設備もありません。最も入手可能で、有効性が高い新型コロナウイルスワクチンは、超低温(-80°C~-20°C)での保存が必須であるため、マラウイでは人が生きるか死ぬかの問題となっています。

つまり、超低温のサプライインフラがない国で、どうすればワクチンを効果的に届けられるかという問題です。

クレイグ・アーノルドは、ヘルスケア販売担当副社長としてUPSに入社しました。

Craigと彼が集めたUPSパートナーの努力、専門知識、インフラのおかげで、今、超低温サプライチェーンが実現しました。2021年10月、ついにワクチンがマラウイ国民に届くことになったのです。

これが実現したのは、UPSの善意とグローバルコミュニティの熱意があったからです。

人道的な情熱プロジェクト

Craigが初めて人道的奉仕活動を体験したのは、2010ハイチでボランティア活動をした年のことです。彼がハイチに着いたのは、200,000人の犠牲者が出た壊滅的な地震の数日後でした。23日後にはUPSの10便の空輸により、彼と救世軍の小チームがUPS基金と米陸軍第82空挺師団の支援を受けて、1.2百万食分の食事を配給できました。

クレイグは語ります。「この任務は3つの事柄に直結していることが分かりました。国際的経験、物流の専門知識、そして人道的取り組みの3つです。」

そして救援活動が「情熱のプロジェクト」になったとクレイグは語ります。クレイグは昼間はUPSヘルスケアが医療用品と医薬品を世界中に発送するのを手伝いました。夜間と週末は、The UPS Foundation(UPS基金)や非政府組織(NGO)との繋がりを維持しました。そしてUPSの業務と重複していることをたくさん見つけました。その後、フィリピン、プエルトリコ、バージン諸島、バヌアツで発生した自然災害で、救世軍の物流活動を統率しました。すべてのケースにおいて、UPSのネットワーク、専門知識、協力を得て、本当に必要な救援物資を届けました。

2021年3月、UPS基金は新型コロナウイルスワクチンの全世界における公平な配給を支援するコミットメントを発表し、2000万回分のワクチンを低・中所得国向けに配給する資金を拠出しました。(ワクチンを待つ間、開始には時間がかかりましたが、現在では同基金による配給数は2倍以上になっています。) 2021年6月、米国政府は50000万回分のワクチンを発展途上国に供給することをコミットし、クレイグの日常的な仕事と情熱のプロジェクトは再びひとつにまとまりました。

そしてクレイグは休暇を利用してマラウイに足を運びました。根回しが必要で、ヨーロッパやケニアに立ち寄り、マラウイへやっと入国できました。最も創造的な問題解決スキルが必要でした。

マラウイには超低温冷凍庫やドライアイスの技術がありません。超低温サプライチェーンをほぼゼロの状態から構築しなければなりませんでした。クレイグと保健省コロナタスクフォースのメンバーは、それを成し遂げなければならなかったのです。

コールドチェーンは次のように進展しました。

ワクチンが首都のリロングウェに着くと、ワクチン保管中枢サイトに移送されます。そこで、30日以内に現地で接種する分を(ワクチンの短期保管に適切な)通常の冷蔵庫で保管します。しかし、ワクチンの60%は首都圏外で必要とされています。その輸送に、UPSは-80°Cの可搬式超低温スターリング冷凍庫を供給しました。これによって、29か所の地区病院が命を救うことができるワクチンを受け取ることができます。

クレイグは語ります。「この可搬式の超低温冷凍庫がゲームチェンジャーとなりました。各ユニットごとに-80°Cのワクチンが8,120回分入っています。私たちはそれぞれの地域病院に1ユニットずつ配給します。つまり、国のすみずみに一度に250,000回分が安全に保管されることになるのです。」

陸地の移動は熱く、長旅で骨が折れますが、スターリング冷凍庫は輸送車のシガーソケットに差し込んでおけばよいのです。

地方病院から遠く離れたワクチン接種会場まで配送するには、別のタイプのコールドチェーン包装であるOrcasが必要です。遠隔地への手荷物配送用のこの冷凍容器を、UPSは50個寄贈する予定です。

クレイグは語ります。「ワクチンは30日以内に使用するのであれば、解凍後2°Cから 8°Cに維持するだけで十分です。Orcasは相変化型の材料ベースのケースです。Orcasを使用すれば、この温度帯の電気のない所で、ワクチンを3~5日間維持でき、水を使用する運搬器よりも5倍、ワクチンが長持ちします。」

またUPSは、技術アドバイザーのマイケル・アンドルーを派遣し、マラウイの保健省を支援しています。マイケルはクレイグと計画段階を共にし、今も現地に留まって円滑な施行を見届けています。また、UPSはサプライチェーンでワクチンを取り扱う職員を対象に、講習・認定プログラムを提供しています。

コールドチェーンイノベーション

クレイグ・アーノルドとUPSパートナーが行った貢献や改革が、9月8日に表彰を受けました。マラウイの保健相クンビゼ・カンドロ・チポンダ大臣、米国駐在マラウイ大使ロバート・スコットが式典に臨み、正式にコールドチェーンリソースを引き渡し、ワクチン接種の取り組みがスタートしました。

ここでの優れた実施内容はコロナ救援の取り組みとしてさらに長く続くことになります。

クレイグは次のように述べています。「冷凍庫と冷却箱は10年間使えます。このプロジェクトは、細胞・遺伝子療法治療薬や抗がん剤など、超低温輸送が必要なワクチンの移動や治療を可能にします。」

クレイグは続けています。「私たちはこうしたコールドチェーンを構築し、100万回分以上のワクチンをマラウイに備蓄します。こうした資産はそのまま長期にわたって使用されることになるでしょう。」

クレイグとUPSヘルスケアに対するマラウイの人々の感謝も、長期間記憶に留められるはずです。

UPSは、特に新型コロナウイルスが発生した時は、医薬品、生物製剤、ラボ検体、その他厳密な温度管理が必要な試薬の輸送が非常に重要になると考えています。UPSのコールドチェーンソリューションについて詳しくご覧ください。

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